*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「もうっ!
お兄ちゃんにやきもち妬かないでよ。
今日はね、式場にいったあと、お母さんのお墓参りと夕飯はお父さんのお店に行ってきたの」

「うん、そっか。
俺まだ挨拶にいってなかったな。今度俺もお母さん紹介して?」

蓮司の腕の中でくるりと向きをかえて、重ねていた手を背中に回してぎゅっと抱きつき蓮司の体温を全身で感じる。

「うん。私も……充電っ!」

「っっ!!」

「ひゃっ!!」

すぐに抱きあげられて、慌てて首にすがり付く。

すぐ目の前に、熱を帯びた蓮司の瞳とぶつかって、自ら首に回した手に力を込めてそっと顔を近づけた。

私だけの愛しい人。

はじめて…自分から蓮司に唇を重ねた。

そっと微かに触れた唇。

恥ずかしくて蓮司の胸に顔を埋める。

膝の上に私を抱えてソファーに腰を下ろして頬に大きな手が添えられた。

とろけるような甘くて深いキスに、すぐに息が上がり、全身がかぁぁっと熱をもつ。

「すげー嬉しい…。

明莉から。はじめてだよな?

……何かあった?

不安に思うこと………あっ……」

しっかりと私と目を合わせた蓮司の目が見開かれた。

大好きで、自分から触れたくて、はじめて起こした行動に、喜びながらも不審がった蓮司は思いがけない言葉を口にした。

「もしかして朝陽のこと気にしてる?

朝陽は美人で専門から一緒の仲がいい女だけど、俺と朝陽は恋愛感情なしの女友達だから誤解するなよ?」

「えっ!?おん……な…!?」

唖然として蓮司の顔を見つめて、改めて片瀬さんのメッセージを思い出し心がざわつき始めた。
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