*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「蓮司、お帰りなさい。
あの……一緒に……入っていい?」

消え入りそうにだんだんと小さくなっていく明莉の言葉は、しっかり俺の耳に届き、顔が思わずにやけてしまう。

「ただいま。明莉、おいで」

俺が無理矢理恥ずかしがる明莉を風呂場に連れ込むことは何度もあるが、自分から入ってきたことなんて一度もない。

俺が明莉不足で満たされていないのと同じくらいに、明莉も俺不足なのかもしれない。

そっと開いた扉から顔を覗かせた明莉は、少し頬を染めて

「お願い、恥ずかしいから……湯槽に入るまで目を閉じてて」

あまりの可愛さに一気に明莉で満たされ愛しさが溢れていく。

ふっと微笑み目を閉じると、明莉が浴室に入ってきた音が聞こえた。
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