*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「すげーな、あの自信。
俺も落とせない女の子はいなかったけどあんなに自信過剰じゃないぞ。

まぁ、あの強気なところは営業向きだな」

ようやく蓮司の腕から解放された私は、まだ近くにある蓮司の顔を見つめると私に優しく笑いかけ

「心配するな。
俺は明莉だけだから」

伸ばされた手が私の頭を優しく撫でた。

「ったく、片瀬さんが余計なこと吹き込むからいけないんですよ」

ため息をつきながら後部座席の片瀬さんを睨み付けた。

「いやぁ悪い悪い。

まさかあんな子だとは思わなくってさ。

ごめんね明莉ちゃん。

それから…香田と毎晩いちゃいちゃしてるところ申し訳ないんだけど、今日からしばらく泊めてほしいんだ。

彼女に家おいだされてさ。

ダメ…かな?」

顔の前で両手を合わせて頭を下げる片瀬さん。

少し寂しげな目をした片瀬さんにドキンとする。

「片瀬さん、家にきても明莉には半径一メートル以内近づくの禁止ですからね!」

久しぶりだ不機嫌な顔をしてヤキモチをやく蓮司と妖しく微笑む片瀬さんにハラハラドキドキしながら私は

「かっ帰りましょう!

車だしますよ、片瀬さん、宜しくお願いします」

と慌てて前を向いて車を発進させた。


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