*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「おじゃましまーす」

私に続いて入ってきた片瀬さんに、私は振り向いて玄関からすぐ左手にある部屋の扉をあけた。


「片瀬さん、この部屋を使ってください。
リビングやキッチンも自宅だと思って自由に出入りして使ってかまいませんから」

以前、弟の大雅くんが使っていた部屋は、まだベッドや机など家具はそのままの状態だ。

「どうもありがとう、明莉ちゃん。
本当に急でごめんね。
なるべく早く…でていくからさ」

私に笑顔をむけた片瀬さんは、やっぱり元気がなくて…落ち着いたら彼女のこと聞いてみよう…何か力になれれば…そんなことをぼんやり考えていると、背後から蓮司の声がした。

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