*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
誕生日のお祝いにと蓮司が連れてきてくれたフレンチのお店で、私の胸はざわついたままで、味がまるでわからないまま飲み込んでいた。

カーテンが閉められた更衣室で、背後からドレスのファスナーを下ろしながら、彼女はくすくす笑って私にだけ聞こえる声で話しかけてきた。

というより、一方的に話していた。


「私と蓮は高校の時に付き合ってたの。

蓮って一見無愛想でクールに見えるけど、以外と独占欲強くて強引でベッタリで。

言葉はもちろん身体でも…愛情表現が激しいわよね?」

そういいながら私の首に触れ、今朝蓮司につけられたあとを指先でなぞった。

「大事にされて、愛されてるのね。

羨ましい…」

一瞬睨まれたきがしたが、すぐに鏡越しに微笑みながら

「もとカノが担当なんて気持ちのいいものではないでしょうから、次回から他のスタッフに担当変更しておきますね。

お幸せに」

目がまるで笑っていない彼女の笑顔に背筋かぞわりとして不安が胸に広がった。

とても…綺麗な女性だった。

式場をでてから、こうして食事をしている今もなお私はぼんやりしてずっと彼女のことを考えていた。
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