*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
隣に並んでパソコンをいじり出すと

「お前今日何食いたい?」

とこそりと耳打ちしてきた。

「今日俺夕飯当番。

一緒に作る?

お前がやらないなら明莉ちゃんにアシストしてもらうけど?」

相変わらずこの人は、俺がイラついている時に必ず挑発してくる。

俺がどう答えるかなんてわかってるくせにわざとこんなふうにいってくるのだ。

「じゃあ、帰り道一緒に買い物な」

ふっと笑った片瀬さんは何事もなかったようにパソコンに視線を戻して鼻唄を歌いながらキーを叩きはじめた。

内心穏やかじゃない俺は、耳障りな鼻唄にイライラがとまらなかった。
< 85 / 211 >

この作品をシェア

pagetop