最強族の女総長は通り名を棄てて闘う
(洸side)
ドクドクと藍の傷口が脈を打ちながら血が流れてくる。
その血は止まることを知らない。

藍「笑えよ」
洸「馬鹿か!笑える訳ないだろ!」
藍「...あたしが、笑って欲しいんだ」

頬に触れる藍の手に自分の左手を重ねるとスルッと手が頬から離れた。
血の気が引いて藍の顔を見ると目を閉じていた。

洸「嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だァァァ!辞めてくれ!冗談はよせ藍!目を開けろ!」
皐「洸、藍を離せ」
洸「うるさい!藍は、藍はたった1人の俺の家族なんだッ...なぁ藍。俺の兄貴とは縁を切ってる。だから目を開けてくれぇぇ!」

ギュッと藍を抱き締めてもいつもみたく身を攀じることは無い。
たまにする、背中を軽く叩くことも無い。
目を閉じたままの藍は糸が切れたあやつり人形の様だ。
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