最強族の女総長は通り名を棄てて闘う
雨の日だった。
藍が好きなクッキーを沢山買っていた。
俺を見た奴は藍に薬を飲ませて逃げた。
痙攣し始めた藍を見て買い物袋と傘が手から落ちて、我に返り走った。
ピクピクと小さく痙攣が止まらない。
迷わず俺の上着で包んで倉庫に走った。

皐「ずぶ濡れで、痙攣が止まらない藍を抱えて戻ってきた洸はこの世の終わりみたいな顔をしていた」

その時はまだ翔はもちろん医者じゃない。
同い歳だからな。
取り敢えず真っ白な頭のまま翔の家に向かった。
事情をどうにか伝えると翔の父親が助けてくれた。

皐「あの時はまだ泣きはしなかった」

楽しい出来事もあった。
海に遊びに行った時なんか藍がヤドカリを集めて寝そべる淳の上に乗せて遊んだりした。
< 145 / 157 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop