蝶の親指。弦音は鳴る。
今日はきっと人生で忘れられない日になる。
緊迫した空気が、より一層強く感じさせた。
「はじめ!」
一斉にペンが走る。
私も一足出遅れて、問題用紙を勢いよく読む。
問題を解きながら、私は弓道を始めてみたときのことを思い出していた。
私は絶対に合格する。
合格して弓道部に入る。
受験勉強中もずっと目標にして、
辛いときも乗り越えてきた。
すべての教科をやりおえ、私は安堵感と、
今だ続く緊張感を抱えて雪道を歩いた。