イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)

「いいではないですか?
せっかくの彼女もやる気を起こしているのですから」

そこでフォローしてくれたのは、河合先輩だった。
他の部署に異動した河合先輩が立っていた。
えっ?まだ何でここに?
私も編集長も驚いてしまった。

「河合。どうした?」

「原稿のチェックと打ち合わせを…それより
せっかく、彼女がやる気を出しているのですから
やらしてみたらどうですか?」

「しかしだな…」

なかなか渋る編集長だった。
あぁ、渋っている……。

「お願いします。編集長!!」

「編集長。何事も経験ですよ。
それにすでに騒がれていますし。ネットでも
大きく話題になってますが、彼女よりも
先生や息子さんの方に注目が浴びています。
地味な彼女の事を忘れられるのも時間の問題でしょう」

河合先輩は、ニコッと笑顔でそう言ってきた。
じ、地味って……!?
河合先輩にまで地味だと言われてしまった。
何気にショックを受けていると先輩は、
クスッと微笑みながら頭をポンポンと撫でてきた。
先輩……?

「彼女もやっと一人前になろうとしています。
どうでしよう。俺の顔に免じて彼女に行かしてみては?」

先輩は、私を信じて説得してくれた。
編集長は、黙ったまま悩むがハァッとため息を吐いた。
諦めたのだろうか?

「分かった。ただし蓮見先生の迷惑だけはかけるなよ」

「はい。ありがとうございます」

やった…また、先生の所に行ける!!
私は、嬉しそうに先輩を見るとニコッと笑ってくれた。
これも先輩のお陰だ。

私は、感謝をしつつ改めて編集者として
指定されたホテルにすぐに向かった。
有名な高級ホテル。ここに先生と睦月君が避難している。

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