イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
声にならない痛みが私を襲った。
どうして、慌てると何かやらかすのだろう。
あまりの痛さにしゃがみこんだ。
「大丈夫か?ったく、相変わらずドジだな」
先生は、呆れたようにこちらに来た。あ、あの……。
そんな格好のまま来ないで下さい!!
目のやり場に困りますから。その姿に恥ずかしくなる。
「だ、大丈夫です。少しぶつけただけなので」
本当は、まだ痛いけど…。
「まったく、世話の焼ける奴だ。
そこに座っていろ。飲み物なら自分で取るから」
「は、はい。すみません」
情けない…また呆れられてしまったわ。
しゅんと落ち込んでいると睦月君が頭をポンポンと
撫でてくれた。睦月君……。
相変わらずなんていい子なの。
感動をしていると先生が戻ってきた。
ホテルの冷蔵庫に置いてあるビール2個と
缶ジュースを持って
「お前もビールでいいか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
私の分まで用意してくれた。
睦月君用の缶ジュースは、先生が飲みやすいように
開けてやりストローを挿してあげていた。
ビールを飲みながら
「風呂も入ったしレストランに行くのも
めんどくせーから部屋でデリバリーするけどいいか?
確かメニューがあったはずだから適当に選べ」
「は、はい。私は、全然構いません。
睦月君もいいよね?」
私は、睦月君の方を見て言うとコクリと頷いてくれた。
そしてデリバリーを頼み夕食は済ませた。
食べ終わると歯磨きをするのだがあることに気づいた。
そういえば、お風呂に入る時にスッピンに
なったのだったわ。
普段は、軽めの薄化粧だとはいえ恥ずかしい。