イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
「えーそれは、大変でしたね。
でも、ちょっと見てみたかったかも……」
クスクスと笑ってしまった。
するとそれを見た先生がため息混じりに
「……やっぱり。お前は、笑った方がいいな」
ボソッとそんな事を言ってきた。
えっ……?今なんて?
「先生…今なんて…?」
もう一度聞き返そうとすると先生は、勢いよく
チャーハンを食べると席を立ってしまう。
シンクに置いてある盥にお皿とコップを浸けると
「食べたら皿は、浸けておけ。
後でまとめて洗うから。俺は、仕事に戻る」
それだけ言うとさっさとリビングから
出て行ってしまった。何だか頬が熱くなってしまう。
今の言葉は、何だったのだろうか?
先生らしくなかったような……?
私は、ポツンと1人で取り残されてしまった。
結局。そのままだと悪いので食器を洗い自宅でも
やれる書類作りをする。パソコンに打ち込んでいると
時間が過ぎていく。
時計を見るとお迎えの時間になっていた。
そろそろ睦月君を迎えに行かなくちゃあ!?
そうしたら先生がリビングに入ってきた。
「おい。今日は、保護者会があるから俺も行く。
時間が、かかるから睦月がお腹空いたと言ってきたら
俺のことは、気にせずに先に帰れ」
「は、はい。分かりました」
いつもと変わらない先生に戻っていた。
結局何だったのかしら?ワケが分からずにいた。
そして幼稚園に向かうとすでに
何人のお母様方が集まっていた。
「じゃあ俺は、向こうに行ってるから
睦月君を頼んだぞ?」
「あ、はい。分かりました」
返事をすると先生は、向こうに行ってしまった。
私は、その後ろを見ていると何処からか
「あ、睦月の所のおばちゃんじゃん」と言ってくる
声が聞こえてきた。
おばちゃん!?この声は……。
振り返るとやっぱり拓馬君だった。
どうも私をおばちゃんと呼んでくる。
まだそんな年ではないのに……。