イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
「拓馬君。お願いだから
お姉ちゃんって呼んでくれないかな?」
「何で?」
何でって……それは…。
優しく注意してみたら即答で何で?と返された。
何でと言われても……私まだ23だし。
「私…まだ23だし。独身だから
その……ショックというか」
「はぁっ?睦月の母親になりたいなら
独身だからとか言い訳にするなよ。むしろ
それぐらい平気にしておけ。
子持ちは、皆おばちゃんと言われる宿命だ!」
そうバッサリと否定された。ガーン!!
そ、そういうもんなの!?いや……しかし
4歳児の子に言われるなんてなんかショックだった。
最近の子供は、恐ろしい。
胸が突き刺さるぐらいのショックを受けた。
すると保育士の中川さんがこちらに来た。
「あ、小野木さん。いらしてたんですね?」
「は、はい。こんにちは」
「こんにちは。お迎えお疲れ様です。
今日も睦月君は、いい子にしていましたよ。
あ、そうだ。睦月君。
お姉さんにお面を見せてあげた?」
中川先生が言うと睦月君は、思い出したかのように
慌ててクラスの中に入って行った。お面……?
しばらくすると持ってきたお面を見せてくれた。
「今日劇に使うお面を作ったんです。
睦月君は、馬の役なのでお馬さんを作ったんです。
ねぇ、睦月君」
中川先生がそう言うと睦月君は、コクリと頷いた。
なるほど……それでお面なのね。
「睦月君。お馬さん描いたんだねぇ~凄く上手。
これをつけてお芝居頑張ろうね!」
目線を合わせニコッと笑顔で褒めてあげる。
するとコクリと頷き抱き付いてきた。
あら、甘えてくれたわ。
クスッと微笑むと抱っこしてあげた。