イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
「それは、大変助かるわ」
「まぁ、さすが藤崎さん。素敵…」
どうやら奥さん達にも人気みたいだ。
さすが先生。ジッと見つめてると司会の奥さんが
私に気づいてしまった。
「では、力仕事の方を藤崎さんに頼むとして
他に希望ある方は…あら?どちら様?」
あっ……見つかっちゃった!?
どうしよう……先生に叱られてしまう。
私は、慌てて頭を下げた。
「あの…すみません。
ちょっと……覗いてしまいました」
「小野木!?」
先生は、驚いて私の名前を呼んだ。
うぅ……後で怒られちゃうな。しかも
周りの奥さん達の注目まで浴びてしまった。
「あら。そちらの方は、
藤崎さんのお連れ様なのかしら?」
「あの方って藤崎さんの担当編集者の方よね。
テレビに話題になっていたし
たまに睦月君を迎えに来てるもの」
司会をしていた奥さんが尋ねてくる。
すると別の奥さんが思い出したように言ってきた。
テレビのこともあり顔を知られてしまっていた。
恥ずかしい……。
「まぁ、そうなの?」
司会をしていた奥さんが私の所に近付いてくる。
えっ?えっと……。
誰のママなのか分からないし、とりあえず
謝るべきなのだろう。
「あ、あのおばちゃん。茉莉華の母ちゃんだぜ」
一緒に居た拓馬君が教えてくれた。
茉莉華ちゃんの?
どの子か分からないけどそうらしい。
その人は、私にニコッと上品に笑いかけてくれた。