イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
「ニャー?」
急に猫の鳴き声がするから先生は、眉を寄せた。
や、ヤバい。先生に聞かれてしまった!?
何とかして誤魔化さないと……。
私は、焦っていると睦月君が猫の鳴き真似をする。
な、ナイス。睦月君!!
「わぁー睦月君。猫の鳴き真似上手ねぇ~凄いわ。
い、今幼稚園で動物の鳴き真似をするのが
流行っているみたいなんです」
私は、必死にフォローする。
「ふーん。猫の鳴き真似ねぇ~普段
喋らないコイツがか?」
「睦月君も鳴き真似したいお年頃なんです」
かなり無理な言い訳をする。
先生は、興味なさそうにふーんとだけ答えた。
バレないかドキドキしたが何とか誤魔化せたみたいだ。
ホッと胸を撫で下ろした。
そして、そのままリビングの方に行ってしまった。
睦月君は、自分の部屋にカバンや上着を置きに
行ったので私もコソコソとその中に入って行く。
ドアを閉めると睦月君は、手提げカバンから
子猫を出してあげた。
「ニャー」
鳴くけど、まだ身体をガタガタと震わしていた。
びしょ濡れだし寒いのだろう。
汚れているし綺麗にしてあげたい。
すると先生の呼ぶ声が聞こえてきた。ギクッ!!
「睦月君は、先にリビングに行って
おやつを食べておいで。
子猫は、私が責任を持って温めてあげるから。
2人でコソコソしていたらバレちゃうわ」
そう睦月君に言い返すとコクリと頷いてくれた。
睦月君が部屋から出て行ったのを確認すると私は、
子猫を抱きかかえて浴室に向かった。
たらいにぬるま湯を入れて子猫を浸からした。
最初は、嫌がっていたけど
温かいからか大人しく浸かってくれるようになる。
「えっと…この場合ってシャンプーで
洗えばいいのかしら?それともボディソープ?」
ペットとか飼った事が無いから悩んでしまう。
まぁ、とりあえず毛なのでシャンプーで
洗う事にする。泡を立てながら子猫を丁重に洗った。