イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
そういえば、睦月君の誕生日っていつだったかしら?
すると横に居た茉莉華ちゃんが
「睦月様は、1月ですわ。1月10日」と教えてくれた。
睦月君は、コクリと頷いた。
茉莉華ちゃん……詳しいわね。
あぁだから『睦月』なのね?と改めて気づかされた。
「そっか~だとしたら、おめでとうを言うには、
まだ早いかな。これはね。
誕生日の人に言う言葉だから」
笑顔で教えてあげた。
しかし納得がいかないのか首を傾げた。
「……じゃあ、僕。今日誕生日にする」
「睦月。お前、何言ってんだよ?
誕生日は、一生に一度。
自分が生まれた日にしか来ないんだぜ」
今日が誕生日がいいと言ってくる睦月君に
困っていると拓馬君が代わりに説明してくれた。
「そうだよ。睦月君は、1月10日に生まれたから
その日が誕生日なの。
だから、その日まで待っていてね」
可哀想だけど仕方がない。
すると睦月君は、しゅんと落ち込んでしまった。
あぁ、可哀想。私も出来るのなら
そうしてあげたいけどさすがに無理があるし……。
すると茉莉華ちゃんは、その睦月君の姿に
うっとりとしながら見惚れていた。
「誕生日を早くしたがるなんて
なんて……可愛らしいお悩みなのかしら」
「お前……俺の時とえらく違うな……」
「あら睦月様は、特別ですわ」
茉莉華ちゃん……。
相変わらずだなぁ~と私は、苦笑いする。
そういえば……誕生日で思い出したけど
先生の誕生日っていつかしら?
確かスケジュール帳にでもメモしてなかったっけ?
睦月君なら知っているかしら。
「睦月君。パパの誕生日っていつか知ってる?」