イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
「……8月12日」
8月12日か……あれ?今日って何日だっけ?
確か……今日は、8月10日か。
うん?えっ……ということは、明後日!?
「えっ……嘘っ!?明後日じゃない!!」
まさかの先生の誕生日が、こんなに
近いだなんて……どうしよう。
いつもお世話になっているし
何かプレゼントを用意した方がいいだろうか?
先生の欲しい物って何かしら?
ソワソワとしていると睦月君が不思議そうに首を傾げた。
「もうすぐ……パパの誕生日……?」
「うん。そうだよ!
だから睦月君もパパに何かプレゼントを……」
「なら、ママの命日だね」
えっ……?ママの命日……?
それは、どういう意味だろうか?
睦月君の突然の言葉に周りは、一瞬静かになった。
「ママの命日ってどういうこと?」
尋ねてみるが睦月君は、それ以上語ろうとしなかった。
先生の誕生日と奥さんが亡くなった事と
何か共通点でもあるのだろうか?気になる……。
しかし直接、先生に尋ねてみたいが、奥さんの事だと
何だか言いにくいし……。
それに対して知っている人に聞いた方がいいのだろうか?
だとしたら……。
『えっ?藤崎の誕生日?』
私は、どうしても気になりこっそりと昔からの
知り合いである浜野さんに電話をした。
名刺を貰ったので連絡先を知っていたから
「はい。睦月君が言っていまして。
先生に直接聞くのもどうかと思いまして
電話したんです。浜野さんなら
何か知っているのではないかと思いまして…」
『あぁ……まぁね』
渋るように言う浜野さんだった。
やはり何か言いにくい真実があるのだろう。
心臓がドキドキと高鳴ってうるさい。
でも、それを知りたいと思った。
睦月君は、私の隣で白雪と一緒にソファーに座り
私をジッと見ていた。
『実はさ……沙織ちゃんが亡くなった日って
丁度、藤崎の誕生日だったんだよ!』