イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
「いえいえ。明日は、最高のおもてなしを
させて頂きます」
「ありがとうございます。
では、失礼致します。睦月君。帰ろうか?」
帰ろうと睦月君を捜すが何処にも居なかった。
えっ?嘘っ……居ない!?
どうしよう……迷子になっちゃったのかしら?
「あれ?睦月君……何処に行ったの!?」
慌てて捜した。
何処に行っちゃったのかしら?
ここは、広いから迷い込んだら捜すのに大変だ。
「あの……息子さんなら厨房の方で
見かけましたよ?」
厨房!?
慌てて厨房の方に入らしてもらうと
睦月君は、夢中でコックが作っているのを眺めていた。
しかも味見をさせて貰っているし……。
私は、慌ててそばまで行くと頭を下げて謝った。
「睦月君。あの…すみません。
ご迷惑をおかけしまして……」
「アハハッ……いやいや。気にしないで下さい。
料理に興味があるみたいですね。息子さん」
料理長だろうか?笑いながら許して下さった。
息子ではないと言いたいが何だか言いにくい。
すると味見をしていた睦月君が
「これ……ハチミツの味がする。隠し味?」と言ってきた。
ハチミツ……?
「おや、坊主。ハチミツの味が分かるのか!?
そうだ。それには、ハチミツを隠し味に使っている。
ほんの1滴しか入れてないのによく分かったな!?」
えぇっ…当たったの!?
凄い……睦月君。幼いのに隠し味を言い当てるなんて
私も料理長も驚いてしまった。
「奥さん。もしかしたらこの子。
料理人になる才能があるかも知れないぞ?
味覚がしっかりしているのなら伸ばせ凄い武器になる」
そう料理長らしき人に言われる。
突然そう言われたので驚いてしまいなおさら
息子ではないと言えなくなってしまった。