イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)

言葉は、分からないけど不思議と
慰めてくれてるような気がした。
そう考えると少しだけ元気になれた。

氷枕と熱冷ましシートを持って
部屋に行くと白雪も後ろからついてきた。
部屋を開けると先生は、パジャマに着替えた
睦月君を抱っこしていた。

「あの……氷枕と熱冷ましシートを持ってきました」

「あぁ悪いな。ほら、睦月。大人しく寝ていろ」

先生は、そう言うのだが睦月君は、嫌がり
しがみついて離れない様子だった。
睦月君……?

「どうかなさったんですか?」

「ちょっとな……まったく。
頑固なところは、誰に似たんだか……」

ハァッ……と深いため息を吐きながら先生は、
よしよしとあやしていた。どうしたのか分からないけど
頑固なところは、多分先生譲りだと思った。
すると白雪が、ぴょんとベッドの上に上がってきた。
枕元まで歩いて来ると「ニャーニャー」と
ひたすら鳴き出した。白雪?

「白雪。そこをどけ」

しかし、そこを退かない白雪。
すると先生にしがみついていた睦月君がチラッと
白雪を見る。そして小さな手を伸ばそうとしてきた。
手を離したため先生は、睦月君をベッドに寝かせる。
すると白雪は、睦月君の頬にすり寄り寝そべる。
もしかしてなかなか寝ない睦月君のために
一緒に寝てくれようとしてくれているのだろうか?

私は、氷枕を睦月君の頭の下に敷いて
おでこに熱冷ましシートを貼った。
冷たくて気持ちがいいのかウトウトとしている。

「……パパ……」

「まったく……分かったから。
今は、大人しく寝ていろ。明日までに
熱が引かないと中止にさせるからな」

ため息を混じりに言うと睦月君は、そのままスヤスヤと
眠りだした。白雪も寄り添っていた。
明日までに熱を引かないと中止ってどういう意味だろうか?

「先生……どう意味ですか?」

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