イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)

「………?」

きょとんと首を傾げる睦月君。
あ、そうか。ガールフレンドだと分からないわよね。
えーとガールフレンドは……。

「ガールフレンドは、女の子の友達って意味よ。
それか、好きな子が居るの?」

当てはまりそうな事を言ってみる。
しかし睦月君は、首を横に振るってきた。
違ったようだ。なら、何だろうか?

「じゃあ、何かな?」

まったく意味が分からず正直に聞いてみる。
だが、黙りになってしまう。
何で?私には、言いたくないってことなの?
意味が分からず混乱する。
すると完成した絵を睦月君は、私に渡してきた。

「あ、うん。サンタさんに渡しておくわね」

そう言うとコクりと頷いてきた。
絵をもう一度確認するが、やっぱり分からない。
うーん。先生なら意味が分かるかもと思い
その夜、睦月君が眠ったのを見計らって先生に見せた。

「……人間の女の子か?」

「やっぱりそう思いますか?」

やっぱり人間の女の子に見えるわよね。
私だけではなくても……。
しかし女の子の友達でも好きな子でも無い様子だし。
先生は、絵を見ながら眉を寄せた。

「睦月の奴……何を描きたかったんだ?
彼女でも欲しいのかよ?」

「それが聞いたら違うみたいで
理由を聞いても教えてもらえないので困っていまして」

「……アイツは、あまり貪欲ではないからな。
食べ物以外、諦めもいいし」

そう言う先生に私は、余計に悩んでしまう。
一体何が希望なのだろうか?
何かいい方法はないだろうか?

< 205 / 218 >

この作品をシェア

pagetop