イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)

眉を寄せ不機嫌そうに言うとリビングから
出て行ってしまった。また、怒らしてしまった。
上手くやるはずだったのに……。
余計に落ち込んでしまった。

すると膝元にちょこんと座っていた睦月君が
ギュッと抱き付いてきた。えっ?
急に抱き付かれたので驚いてしまった。
もしかして、励まそうとしてくれてるのだろうか?
まさか……でも

「睦月君。励まそうとしてくれるの?」

そう質問してみた。
するとこちらを見るとコクリと頷いてくれる。
やっぱりそうなんだ。

「……ありがとう。睦月君」

私もムギュッと抱き締め返した。
素直に嬉しかった。
結局、まともに話を聞いてもらえず帰る事になった。
うぅ……手強い。

睦月君とは、上手くやれそうな気は……するけど
先生は、大人だからなかなか難しい。
自宅のアパートに帰るとベッドにダイブする。
転がりながら今日のあった事を反省していた。
次は、失敗せずに上手くやりたい。
翌日、会社に行くと部署に河合先輩が編集長と
話をしていた。

「あ、河合先輩ではないですか!?
おはようございます。
編集長もおはようございます」

「やぁ、おはよう。どうだい?
蓮見先生の担当になってちゃんとやっているか?」

「河合先輩……」

「おやおや。何があったのかい?」

優しい口調で笑いかけてくれた。
もう河合先輩にすがりたい気持ちで
あった事を全て話し相談に乗ってもらった。

「どちらも相変わらずだねぇ~まぁ
そうなるだろうと予感していたけどさ」


先生に叱られた事やサイン会をするのを断られた事などを
話し終わると河合先輩は、苦笑いしていた。
えっ?そうなると予感していたの!?
先輩の言葉に驚いてしまった。

「分かっていたのですか?こうなること」

< 22 / 218 >

この作品をシェア

pagetop