イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)

そして仕事を急いで終わらせると
時間を見計らって睦月君を迎えに行った。
園内に入ると睦月君は、拓馬君と遊んでいた。

「睦月君。迎えに来たよ~」

そう言うとこちらに駆け寄ってきた。
そしてキョロキョロと周りを見る。
あ、先生を探しているのね……。

「今日パパは、用事があって出掛けているから
お姉ちゃんと帰ろうね」

睦月君に言うとコクりと頷いた。
すると保母の中川先生がこちらに来た。
私は、慌てて挨拶をして頭を下げた。

「お迎えお疲れ様です。
これ幼稚園のお便りです!」

私にお便りを渡してくれた。
見るとお遊戯会の役員を決める保護者会の
お知らせだった。お遊戯会……?

「お遊戯会は、まだ先の話ですが園児達の劇や
歌の他にも保護者会で作る屋台もありますので
とても楽しいですよ」

そう言って説明をしてくれた。
うわぁ~劇と歌か。それは、また
とても楽しそうだし私も見てみたいと思った。

「え、あの……これって保護者以外の
参加は、大丈夫ですか?」

「一応、関係者以外は、ご遠慮させて頂いてますが
小野木さんは、すでに保護者代理として
登録してもらっているので大丈夫ですよ」

ニコッと笑顔で言ってくれた。
良かった……じゃあ先生に頼んで参加させてもらおう。
図々しいと言われるかも知れないけど
ぜひ行きたいと思った。

お遊戯会で睦月君の組は、『白雪姫』をやるらしい。
まだ役は、決まっていないらしいから
どんな役になるか楽しみだ。
あ、でも睦月君は、話すの嫌がるし大役は、無理かな?
王子様役とか似合いそうなのに。

残念だなぁ~と思いながら
先生の自宅マンションに帰った。
着くと鍵を開けて中に入ろうとするのだが
何故だかリビングの電気がついていた。
あれ?先生……もう帰ってきたのかしら?

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