イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)

「えっ……それは……おわっ!?」

浜野さんが言おうとした瞬間
クッションが浜野さんに目掛け飛んできた。
見事顔面にヒットする。えっ!?
驚いて振り向くと睦月君が投げたらしい。
睦月君……!?

「な、何するんだよ?睦月……」

浜野さんがクッションを取るとまた、
もう1つのクッションを投げ飛ばす睦月君。
えぇっ……ちょっと睦月君!?

「睦月君、待って。
クッションを投げたりしたらダメよ!!」

私は、慌てて止めようとした。
すると私の所に来てギュッと抱き付いてきた。
甘えるように。睦月君……?
すると浜野さんは、困った表情をしながら
頭をかいていた。

「分かったって……余計な事を言わないから
クッションを投げるんじゃねぇ~よ」

「あの…どういう事なのでしようか?」

睦月君がクッションを投げるのと今の話しと
どう関係があるのだろうか?
私は、意味が分からずに首を傾げた。

「コイツは、余計な事を話して
涼花ちゃんを悲しませるのが嫌なんだろ?
藤崎と沙織ちゃんの話なんか聞いたら
余計に落ち込むだろうし」

そうなの……?
チラッと睦月君を見たら睦月君は、コクリと頷いた。
確かにそうだ。自分で気になるから聞いたが
もし聞いたら落ち込むだろう。
それは、もう泣きぐらいに……。そんな私のために
クッションを投げて止めてくれたの?

「ありがとう……睦月君」

私を悲しませないように。
するともう一度コクリと頷き私に抱き付いてきた。
甘えん坊な睦月君だ。浜野さんは、それを見ながら
やれやれとため息を吐いていた。

「しかし、コイツも一人前に女性を守るとは、
まだチビのくせに生意気な」

苦笑いしながら頭を撫でようとした。
だが、ビシッと手で払い除ける睦月君。あっ!?
そして、冷たい目付きで睨み付けていた。
この表情……先生にそっくりだった。
まるで「触るんじゃねぇー」と言ってるように思えた。

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