イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)

「僕……行きたい」

「何だ?行きたいのか?
なら、お姉ちゃんと2人きりで行って…」

睦月君は、行きたいとねだるが先生は、
あまりいい反応をしない。
するとジッと先生を見つめてくる睦月君。
黙り込む2人。しかし一向に目線を逸らさない
睦月君だった。完全に、にらめっこだ。
するとハァッ……と先生は、深いため息を吐いた。

「分かった。一緒に行けばいいんだろ?ったく…」

ブツブツと言いながら承諾してくれた。
睦月君に押し負けた。
凄い……先生相手に勝ったわ!?

「本当ですか!?良かった……。
良かったね。睦月君」

嬉しそうに言うとこちらを見てコクリと頷いてくれた。
ランドに行くのは、日曜日に決まり
その日を楽しみに待っていた。

そして待ちに待った日曜日。
何度も忘れ物が無いかチェックした。
肝心な時に忘れ物をしやすい私は、何度か
チェックをしないと不安で仕方がない。
よし、これを入れたらOKね!

私は、お弁当箱を入れた。ペンギンランドを調べたら
持ち込みOKと書いてあった。
だから弁当を作ってみた。
喜んでくれるといいけど……。

あ、待ち合わせ時間になっちゃう。
私は、慌てて入れると出掛けた。
アパートから出るとすでに先生が待っていた。
無愛想な表情だったが。

「おはようございます。
すみません。遅くなりました」

「さっさと行くぞ。車に乗れ」

「は、はい。失礼します」

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