イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)

「あぁ、コイツが生まれて一度も行っていない。
俺は、そういう人混みが多くてうるさいのが嫌いだし。
コイツは、コイツで、広告を見せても
あまり興味を示さなかったからな。それよりも
隣に載っていた料理のお店に行きたがったぐらいだし。
前に見せた時に」

む、睦月君らしい…。
行った事も無く興味がないなら返事に困るだろう。
それにホテルの料理をやたらに
行きたがっていたし……なるほど。

「そうだったのですか。なら今日は、睦月君にとって
いい思い出作りをしないといけませんね。
また、行きたくなるように」

私は、張り切って言った。
せっかく初めて行くのなら楽しかったと思って欲しい。
忘れないような素敵な思い出にさせてあげたい。

その後。無事にベンギンランドに着いた。
駐車場に車を停めて中に入ると凄い……さすが
巨大パークと言われているだけはあって広いし
中は、南極をイメージしているので涼しげな造りだ。
ここの売りは、建物などの種類の多さもだが
氷のオブジェや背景画までこだわっている。
そしてイメージキャラクターは、ペンギンだ。

「うわぁ~凄いですね!?
広いし、あちらこちらに色んな物がありますよ」

「ったく、よくこんな人混みになっても
行こうとする気になるよな?
むさ苦しいし、人酔いしそうなぐらい気分が悪い」

あまりの人混みに先生は、イライラし始めた。
うっ……これは、まずい。
先生の機嫌を損ねる前に楽しんでもらわないと……。
まずは、楽しそうな乗り物を乗ってみよう。
私は、近くに何かないか探していると
マスコットキャラのぺん太君が歩いてきた。

「あーぺん太君ですよ!!
ここのマスコットキャラクターなんです。
早々と出会えるなんてラッキーですね」

私は、嬉しそうに言った。せっかくのチャンスだわ!!
睦月君とぺん太君のツーショット写真が撮れるかも
ついでに私も一緒に撮れたらいいな。

「睦月君。ぺん太君と一緒に写真を撮ってもらいに
行こうか?せっかくだし…」

やや強引に睦月君をぺん太君に連れて行く。
さすがに人気だから少し並んだがぺん太君のそばまで 行くことが出来た。
私は、睦月君を抱っこして挨拶する。

「ほら、ペンギンのぺん太君だよ!」

ぺん太君は、睦月君に手を振り挨拶をしてくれた。
だがしかし。睦月君は、まったく無反応だった。
あれ……?

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