イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
そんなことお構いなしに先生が言ってきた。
先生まで……。
もうと思ったが仕方がないので行く場所を決めるために
腕時計を見る。今の時間だと……あ、お昼だ。
そろそろお昼にしなくちゃあ!!
睦月君がお腹空いちゃうわ。
「乗り物の前にお昼にしましょう。
私、お弁当を作って来たんです!」
私は、得意気に言った。
少しは、女性らしいところを見てもらいたい。
そのために早起きして作ってきた。
「お前がか……?雨でも降らないといいけどな」
「どういう意味ですか!?それ……」
酷い……せっかく作ってきたのに。
ムスッと頬を膨らませると先生は、クスッと笑った。
あっ……笑った。
「冗談だ。なら何処か食べる場所を探さないとな」
「あ、フードコートがあるみたいですよ!!
パンフレットに載っていました」
私は、嬉しそうにパンフレットを見せた。
そして、フードコートに行くことにした。
混んでいたけど、何とか座ることが出来た。
「じゃん。朝早起きして作ってきました!」
私は、得意気にお弁当の中身を見せた。
タコさんウィンナーやカラアゲや卵焼き。
とにかく睦月君や先生が食べられそうな物をたくさん
可愛く入れてみた。
「ほぅ……さすが。女性だな。彩りが可愛く出来ている」
でしょ?でしょ!?
園児にも好評に思われるように
可愛いお弁当の作り方の本を買って必死に勉強したのだ。
睦月君は、パチパチと手を叩いてくれた。
褒めてくれてるのだろう。
「問題は、味付けだな」
そう言いながら卵焼きをパクッとつまんで
食べる先生。あ、どうだろうか?
これでも何度も味見をして自分では、上手く作れたと
思うのだけど……。