イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
「うん。旨い……少し甘いが睦月好みの味付けだな」
「本当ですか!?」
やったー頑張って早起きした甲斐があった。
喜んでいると睦月君も食べたいのか手を伸ばしていた。
「睦月君のは、私が取ってあげるわね。
何が食べたいのかな?」
そう聞いてみるとタコさんウィンナーと卵焼きを
指を指していた。あ、これね?
紙皿に取ってあげるとモグモグと夢中で食べてくれた。
「美味しい?」と聞くとコクりと連続で頷いてくれた。
良かった……。
ホッと胸を撫で下ろした。
睦月君の底なしの胃袋もありたくさん作ったお弁当は、
あっという間に完食してしまった。
「さて、行くか?」
「あ、行く前にお手洗いに行って来てもいいですか?」
早めに行かないと行きたくなった時に困ってしまう。
そうではなくても遊園地のお手洗いは、
混んでいるのに。
「早く行って来い」
先生のお許しが出たので私は、女子トイレに向かった。
用を済ませ手を洗っていると小さな子供達が
はしゃぎながら入って来た。すると1人の男の子に
ぶつかってしまった。
しかも床がたまたま濡れていたせいもあって
ズルッと滑ってしまった。
「キャアッ!?」
そのまま思いっきり後ろに転んでしまい
尻もちをついて転んでしまった。痛い……。
派手についてしまったからか恥ずかしさよりも
痛みが走った。
周りの人も驚いて近付いてきた。
「大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です……すみません」