イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
「ほら、部屋まで連れて行ってやる。
俺の肩を掴まえて移動しろ」
「あ、ありがとうございます」
わざわざ私に気にかけて手を差し伸べてくれた。
本当に優しい。でも、夢の事を思い出すと
ズキッと胸が痛んだ。
「あと、お前……何で泣いているんだ?
寝ている最中も涙と鼻水が凄かったぞ」
えぇっ……!?
慌てて涙と鼻を腕で拭う。
泣いていたなんて……恥ずかしい。しかも鼻水まで!?
「泣いている理由は、あえて聞かないが笑っていろ。
お前の泣き顔は、似合わん」
先生は、私を見つめながら言ってくれた。
えっ……?それって……どういう意味?
胸がドクッと高鳴りだした。
「泣くと睦月が不安がるからな。
ガキに泣き顔を見せるんじゃねぇーよ。アホ」
するとデコピンされた。い、痛いです……先生。
でも痛かったけど……何だかホッとした。
やっぱり今日楽しかったのは、夢ではないと
再確認が出来たから。
「あ、やっぱりここで大丈夫です。
今日は、ありがとうごさいました」
「そうか?なら、いいが……。
明日は、痛くて無理そうなら連絡しろ
車で迎えに行ってやるから」
「いえ……とんでもありません。
自力で何とかします。ありがとうございます」
私は、慌てて否定した。
編集者がお迎えに来てもらうなんてありえない。
それこそ迷惑をかけてしまう。
すると私の頭をポンポンと撫でていた。
えっ……?