イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)

「じゃあ、またな」

それだけ言うと車に乗り込み行ってしまった。
どうして頭を撫でられたのか分からない。
分からないけど……触られた頭は、何だか
あたたかくて優しかった。

あぁ、やっぱり先生が好き。
例え叶わない片思いだとしても諦めきれない。
私は、ヒョコヒョコと足を引きずりながら
アパートの階段を上がって行くのだった。

翌日。湿布を貼り替えて寝たけどまだ腫れおり痛い。
どうしよう……これだと行きにくい。
でも仕事を休む訳にはいかない。
私は、何とか我慢して会社に向かった。

行くのは、大変だったが今日は、事務中心だったから
助かった。午後になり私は、いつもの通りに
先生宅に向かおうとした。すると電話が鳴った。

『会社の外に居るから来い』

えっ?まさか迎えに来てくれたの?
痛い足を引きずりながら会社の外に出ると
先生が待っていた。まさか私を迎えに来てくれるなんて
思わないから驚いてしまった。

「どうせ無理してウチに来ると思っていたからな。
乗れ。睦月を迎えに行くから」

「は、はい。ありがとうございます」

私は、返事をすると慌てて車に乗り込んだ。
先生も車に乗り込むが黙って運転をしていた。
チラッと先生を見るとサングラスをかけており
何を考えているのか分かりにくい。

「あの……迎えに来て下さりありがとうごさいました。
原稿の方は、大丈夫なんですか?」

「キリをつけてきた。それに睦月を迎えに行く
次いでだ。勘違いをするな」

「は、はい。すみません」

何故だか怒られてしまった。
次いでか……でも、一緒に居られるのは嬉しかった。
幼稚園に着くと私は、車で待っており先生だけ
園の中に入って行く。
しばらくすると睦月君を連れて戻ってきた。

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