イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
胸が張り裂けそうだった。
だから怪我を理由に違う人に交代してもらった。
情けないと思いながら私は、
窓から見える青空をため息を吐きながら見ていた。
しかしそんなある日。
私は、同級生の白川美麗の結婚披露宴に出席した。
さすが白川さんと言わんばかりの
派手な披露宴になっていた。豪華だ。
私は、そんなことよりもぼんやりと
ワインを飲みながら考えていた。これからどうしよう。
このまま交代してもらう訳にはいかないし。
だからと言って……自分の気持ちを押し殺して
先生に会うのは辛い。
失恋だって分かっているはずのに……。
すると梨子が私にもたれながら話しかけていた。
「涼花。飲んでいる~?
元気ないけど、どうしたのよ?」
「梨子!?うっ……酒臭い。
梨子……飲み過ぎよ」
「あら飲んでないとやってられないわよ。
ねぇ、あの新郎の旦那さん。
確かにイケメンで金持ちそうだけど何か腹黒そう」
酔っぱらいながら言う梨子に返事に困ってしまった。
だが思わず同意したくなった。
確かに自慢したいのは分かる。
眼鏡をかけており、いかにもインテリな感じで
IT社長という雰囲気が出ていた。しかもイケメン。
だが、どこか人を見下していそうな雰囲気もあった。
人を見かけで判断をしたらダメだと先生を見て
判断したばかりなのに思わずそう思ってしまった。
「まぁ、見かけによらず優しいのかも知れないし…」
「そうかも知れないけど何か納得がいかないわ」
とりあえずフォローしてみるが
梨子は、不満そうな表情をしていた。
どうも納得がいかない様子だった。
チラッと白川さんを見ると 華やかな
真っ赤なドレスを着ていた。妊娠しているらしいけど
お腹は、目立っていない。
旦那さんは、袴を着ていた。
性格は、どうあれお似合いの夫婦だと思う。
「いいわよねぇ~結婚が出来る人は。
私も彼氏が欲し~い」
「梨子……飲み過ぎ。でも……そうね」