イクメン作家と恋心~完全版~(12/30大幅修正済み)
「ちょっと待って下さい。
そこには、数人の報道陣が居ます。
すぐに会社に戻るので勝手にうろつかないで下さい』
私は、慌ててタクシーの運転手さんに
会社に戻るように伝えた。冗談ではない。
そうなる前に何とか止めなくちゃあ……。
少し離れたところにタクシーで停めてもらうと
私は、急いで会社まで向かった。何処に居るのかしら?
慌てて捜していると「おーい。涼花!!」と
何処からか声が聞こえてきた。
キョロキョロと捜すと停まっていた車から
神野飛鳥が降りてきた。あっ……居た!!
「あの……勝手なことしないで下さい。
どうして、こんなことをするのですか!?」
「何って……言っただろ?俺は、君に本気だって。
惚れた女を口説き落とすの行動したまでだけど」
いや、それが迷惑なんですってば!!
もし報道陣に見つかったらどうする気だったのかしら?
ちょっと彼の自由過ぎる行動に不信感を覚える。
「あのですね……何度も言いますが
私には、他に好きな人が居まして……」
そう言いかけた時……。
「あっ見つけたぞ!?神野飛鳥も一緒だ!!」
報道陣が私達を見つけてしまった。
嘘っ……バレてしまうなんて!?
どうしよう。オロオロとしていると神野飛鳥が
私の腕を引っ張ってきた。
「乗れ。避難するぞ!?」
「で、でも……」
こんなところで逃げだら怪しまれる。
それに彼と逃げるのに抵抗があった。
「嫌がっている場合か!?」
神野飛鳥がそう言った時だった。
私のところに走ってきた小さな子供がぶつかってきた。
えっ?私は、慌ててその子に声をかけようとしたら
顔を見て驚いた。ぶつかってきた子供は、
睦月君だったからだ!