一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「萌音・・・」
時間外の会計窓口にやって来た萌音を、ソファに座って待っていた海音が見つけて歩み寄る。
「会計、済ませておいたから」
「・・・うん、ありがと」
俯く萌音の瞼が腫れている。
それが喜びの涙ではないことを海音も気づいていた。
「萌音。帰ろうか」
「うん」
海音はそれ以上何も言わずに、萌音の手を引いて病院の駐車場に向かった。
車に乗り込むと、海音は助手席の萌音に向き合う。
「萌音。強引に話を進めたから怒ってる?それとも子供は欲しくなかった?」
海音の言葉に、萌音はゆっくりと顔をあげた。
結婚はいずれしようと思っていた。
だから海音からもらった指環も、ネックレスにして首から下げて肌身離さず持っていたのだ。
子供は・・・今すぐとは思っていなかった。
しかし、愛する海音の子供だ。
タイミングが今だからといって、この子を否定する気持ちは絶対にない。
゛たとえ一瞬でもこの子を蔑ろにする言葉は口にしたくない゛
それが、偽りのない萌音の本心だ、とこの瞬間に悟った。
時間外の会計窓口にやって来た萌音を、ソファに座って待っていた海音が見つけて歩み寄る。
「会計、済ませておいたから」
「・・・うん、ありがと」
俯く萌音の瞼が腫れている。
それが喜びの涙ではないことを海音も気づいていた。
「萌音。帰ろうか」
「うん」
海音はそれ以上何も言わずに、萌音の手を引いて病院の駐車場に向かった。
車に乗り込むと、海音は助手席の萌音に向き合う。
「萌音。強引に話を進めたから怒ってる?それとも子供は欲しくなかった?」
海音の言葉に、萌音はゆっくりと顔をあげた。
結婚はいずれしようと思っていた。
だから海音からもらった指環も、ネックレスにして首から下げて肌身離さず持っていたのだ。
子供は・・・今すぐとは思っていなかった。
しかし、愛する海音の子供だ。
タイミングが今だからといって、この子を否定する気持ちは絶対にない。
゛たとえ一瞬でもこの子を蔑ろにする言葉は口にしたくない゛
それが、偽りのない萌音の本心だ、とこの瞬間に悟った。