一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「ほら、萌音ちゃん。遠慮なく食べなさいね」
結子が連れてきたのは、なんのことはない、結子の泊まっているホテル内にあるフレンチレストランのビュッフェだった。
しかも、佐和山建設の数件隣に位置する高級ホテル。
「お、お母さん。さすがにこんなには食べきれないんですけど・・・」
萌音は、テーブルの上に置かれた品々の数の多さにゲンナリして言った。
昔からそうだ。
母は仕事を優先するにも関わらず、萌音のお祝い事があるときや、萌音が落ち込んでいるときには食べ物で解決しようとする。
「人間美味しいものを食べていれば何とかなるわよ」
と、およそ芸術家らしからぬ言動を口にするのだ。
「双子を妊娠したんですって?私のお祖父さんも双子だったのよ。お祖父さんは一卵性の男の双子だったから、弟って人とそっくりで、面白いから絵のモデルをしてもらったことがあるの。あれは意外と評判よくてすぐに売れたわ」
こうして、いきなり本題に入るのも結子の悪い癖だ。
周りがそれに振り回されていることなんて一向に意に介さない。
だが、安輝から聞かされた曾祖父さんの双子説をこうして母から聞くと、より一層真実味を増して身近に感じられるから不思議だ。
結子が連れてきたのは、なんのことはない、結子の泊まっているホテル内にあるフレンチレストランのビュッフェだった。
しかも、佐和山建設の数件隣に位置する高級ホテル。
「お、お母さん。さすがにこんなには食べきれないんですけど・・・」
萌音は、テーブルの上に置かれた品々の数の多さにゲンナリして言った。
昔からそうだ。
母は仕事を優先するにも関わらず、萌音のお祝い事があるときや、萌音が落ち込んでいるときには食べ物で解決しようとする。
「人間美味しいものを食べていれば何とかなるわよ」
と、およそ芸術家らしからぬ言動を口にするのだ。
「双子を妊娠したんですって?私のお祖父さんも双子だったのよ。お祖父さんは一卵性の男の双子だったから、弟って人とそっくりで、面白いから絵のモデルをしてもらったことがあるの。あれは意外と評判よくてすぐに売れたわ」
こうして、いきなり本題に入るのも結子の悪い癖だ。
周りがそれに振り回されていることなんて一向に意に介さない。
だが、安輝から聞かされた曾祖父さんの双子説をこうして母から聞くと、より一層真実味を増して身近に感じられるから不思議だ。