一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「いきなり結婚しました。子供ができました。双子です。って何なの?ビックリしすぎてエッフェル塔から落ちそうになったわよ」

゛なるわけあるかい゛

萌音は内心突っ込みを入れるが、母は本気で言ってるので微笑んでやり過ごした。

「で、萌音ちゃんは何に悩んでるわけ?幸せな顔してないのは何かあるの?」

ぼんやりしているように見せて案外あざとい。

そう、結子はそういう人だったと、萌音はため息をついた。

「お母さんは、妊娠した時にマタハラ被害にあった?」

「マタハラ?」

首をかしげる結子は、しばらく考え込むと、ウンウンと首を縦に振って同意を示した。

「安輝にマタハラされたわ!」

なんと、母も夫からのマタハラ被害を受けていた。

萌音は、どうしようもないその状況に呆れながらも、共感者に会えた喜びからか、無性にお腹が空きはじめ、そんな単純な自分にもあきれた。

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