一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「わざわざお越しいただきありがとうございました」

萌音と海音がやって来たのは、駅近の賃貸マンション。

山本夫妻の住むマンションだ。

「もねたん、まねたん、いらっさい」

「鈴ちゃん、こんにちは」

開いた玄関の向こうから駆け出してきたのは、山本鈴(すず)ちゃん3歳。

来年小学校に入学する予定の陽(はる)くんも後方から顔を出しているのか見えた。

「陽くんもこんにちは」

「こんにちは・・・」

萌音も海音もつり目だからか、第一印象では怖がられる。

何度か打ち合わせを重ねて、顔を合わせるうちに、鈴ちゃんも陽くんもかなり二人に心を開いてくれたようで、今では笑顔で迎えてくれるようになった。

「どうぞ上がって下さい」

奥さんの由美さんが海音と萌音をリビングルームに案内してくれた。

すかさず海音の膝の上に鈴ちゃんがのる。

陽くんはちょこんと萌音の横に座った。

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