一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「萌音、ごめんな。俺がお前を追い詰めたから・・・」

「違うよ。仕事を理由に適当な食事をしていたのと睡眠不足になっていたから、自業自得なの」

現在5ヶ月、16週と6日。

21週を越えなければ流産となり、双子がお腹の外で生きていける可能性は限りなく低い。

迷ったり悩んだりしている時間がもったいない。

萌音は、今日、結子と話したことを思い出しながら、意を決して海音に言った。

「ねえ、海音、今日なんであんなことを言ったのか、教えてくれる?私なんて必要ないのかと思ってショックだった」

「もちろん萌音の体が一番心配だった。家でも会社でも、俺が一番近くにいるのに支えられないなんて嫌だった。それに夕べ、萌音が寝た後ずっと読めてなかった双子のお産の本を読んだんだ。これからお腹が大きくなるにつれてリスクが高くなる。双子も心配だけど、俺の一番はやっぱり萌音だから・・・何かあったらと思ったらつい・・・」

海音は、萌音の両手を取り握りしめながらじっと見つめた。

「仕事の代わりはいくらでもいる。萌音でなければならない仕事はあっても、フォローしてもらえば誰かがやる。でも萌音の代わりはいないんだ。俺の嫁の役割も、双子の母親の役割も、ご両親の子供という役割も、萌音にしかできないし代わりはいない」

海音の真剣な瞳を見つめていると、その真摯な言葉がストンと萌音の心に入ってきた。

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