一級建築士の甘い囁き～ツインソウルはお前だけ～妊娠・出産編

萌音以上に、海音をはじめ、風太郎に安輝、千香子と結子、道端夫妻のほうの緊張がMAXであったため、萌音は逆に冷静になれて驚いた。

「今日からお世話になります。お義父さん、お義母さん」

笑顔で挨拶をする萌音に

「遠慮せずくつろぎなさい。今日からここは萌音ちゃんと双子の家だ」

恵比寿顔の風太郎。

「そうだぞ。遠慮することはない。そのためにこれまで私が風太郎に恩を売ってきたんだからな」

とマフィア顔の安輝が加える。

冗談ではなさそうなところが怖い。

「やだわ。安輝ったら自分の家でもないのにずうずうしいわね」

そう、結子が言うと

「あら、結子さん。萌音ちゃんはもう私の娘でもあるのよ。食事とお世話は私に任せて頂戴。もちろん結子さんや安輝さんのお部屋も用意してあるわ。いつでも遠慮なく来て、萌音ちゃんを助けてあげてちょうだい」

と千香子が返してくれた。

冷たい風が吹き抜ける２月の空に、暖かな日射しが差し込むような時間だった。