一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「なあ、早く」

「やだよ。会社でなんて」

「そんなことを言わずに・・・もう待てないんだ」

「ちょ、やめて・・・」

萌音は第三会議室横のトイレで海音に追い詰められていた。

「頼む。明日からは休みの病院も多い。陽性ならすぐに病院に連れていきたい」

「わかったから。誰かに聞かれたらどうするつもり?勘違いだったら恥ずかしい」

確かに言われてみれば3ヶ月生理が来ていない。

元々生理は規則的に来ていたが、環境が変わるとストレスが溜まり生理が遅れることもあったし、最近は仕事が忙しくてそんなことを気にする暇もなかった。

だが、つわりもなければ何の変化もないのだ。

妊娠したかもと言われても、萌音に実感がないのは仕方あるまい。

「・・・行ってきます」

今は15時の休憩タイム。

萌音は検査キットを持ってトイレに入った。
< 6 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop