一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「デイビスは、そんな人じゃありません。私が勝手に・・・」
「へえ、じゃあ、スパイだってことは認めるんだな」
「・・・」
佐和山建設の社員の視線が冷たい。
鈴原は悔しそうに、萌音を睨み
「あなたが作った作品ならたかが知れているわね。そんなものには興味ないし、この会社のコンペ敗退は決まったようなもの。見る必要すらないわ。ほんと、わざわざこんな会社来るんじゃなかった・・・!」
と呟いて、デスクから荷物を取るとスタスタと設計課を出ていこうとした。
「ちょっと待て」
海音に呼び止められて、何を期待したのか、鈴原が立ち止まり、潤んだ瞳で海音を見つめる。
「忘れ物」
海音が差し出したのは、鈴原が描いたデザイン画とこの数日間にスタッフに託された完成途中の製図だった。
「こんな役に立たない仕事されたんじゃ余計な一手間ばかりが増えて困ってたんだ。CADすらまともに出来ない奴にどうこう言われたくない。目障りだからこれ自分で処分してくれよ」
鈴原は、海音からそれらを奪い取ると
「最低」
と言って今度こそ、設計課を出ていった。
゛どの口が言うか゛
とその場にいた誰もが思ったが口は開かなかった。
「へえ、じゃあ、スパイだってことは認めるんだな」
「・・・」
佐和山建設の社員の視線が冷たい。
鈴原は悔しそうに、萌音を睨み
「あなたが作った作品ならたかが知れているわね。そんなものには興味ないし、この会社のコンペ敗退は決まったようなもの。見る必要すらないわ。ほんと、わざわざこんな会社来るんじゃなかった・・・!」
と呟いて、デスクから荷物を取るとスタスタと設計課を出ていこうとした。
「ちょっと待て」
海音に呼び止められて、何を期待したのか、鈴原が立ち止まり、潤んだ瞳で海音を見つめる。
「忘れ物」
海音が差し出したのは、鈴原が描いたデザイン画とこの数日間にスタッフに託された完成途中の製図だった。
「こんな役に立たない仕事されたんじゃ余計な一手間ばかりが増えて困ってたんだ。CADすらまともに出来ない奴にどうこう言われたくない。目障りだからこれ自分で処分してくれよ」
鈴原は、海音からそれらを奪い取ると
「最低」
と言って今度こそ、設計課を出ていった。
゛どの口が言うか゛
とその場にいた誰もが思ったが口は開かなかった。