一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「心配かけてごめんね」

「本当だぞ?萌音に何かあったら、俺も迷わず後追いするところだった」

海音の場合、冗談に聞こえないからたちが悪い。

「冗談はやめて、双子が路頭に迷うから」

「萌音こそ、冗談なんて言うな。萌音が一番で双子は・・・とにかくどっちも失いたくない」

萌音は、双子の優先順位が上がって嬉しく思う反面、少し寂しくも感じる。

だが、親子、夫婦とはそうやって家族になっていくのだろう。

フフフ、と笑っていると、萌音の唇に海音のキスが落ちてきた。

「やっとお腹を気にせずに萌音を抱き締めることができる。萌音は出産後最初にやりたいことはうつぶせ寝だと言ったが、俺はお前を抱き締めたい」

「先にキスしたくせに」

「これでもまだ手加減してやってるんだからな、退院したら覚悟しろよ?」

こうして笑っていられるのも、無事に出産できたからだ。

これからも辛いこと大変なことがたくさんあるだろう。

だが、二人で、そしてチーム森久保という力強い味方を得て双子を出産した自信は、今後の子育てのどんな困難も乗り越えられると、萌音は無条件に信じることができた。
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