『異世界に転移したので、モフモフたちにごはんを作ります!』番外編SS 黒豹のヴォラット視点
「失礼いたします。前国王陛下には本日もご機嫌麗しく……」
「ヴォラット、気持ち悪い挨拶はよさんか」
畏れ多くも前国王陛下の御前に呼び出されたので、せっかく作法通りの口上を申し上げているというのに、鼻にしわを寄せたじいさんに止められた。
「豹の猿芝居など観てもちっとも面白くないわ」
「猿芝居代も騎士団の給料の一部だからな」
跪いていた俺は立ち上がると、「で、何のようだ? あれか、あんたの孫が子猫を囲っている件か」とギルバートじいさん……前国王陛下に尋ねた。
「王都に忍ばせている間者から、詳しい報告を受けているんだろ? 俺も忙しいんだから、あんまり呼び出すなよ」
「この悪ガキが、ちっとは年寄りを敬わんか」
「何が年寄りだよ、足腰立たなくなって年寄りらしくなったら背中におぶってやるわ」
「その時は足代わりにしてやるからしっかり鍛えておけ」
宰相であるうちの父親が聞いたら真っ青になりそうな憎まれ口を叩き合ってから、俺はじいさんの顔を見た。
「何を知りたい?」
「お前から見た、カルディフェンの様子だ。あと、その子猫の娘についても」
先程とはうって変わった鋭い視線で、ギルバート前国王は俺を見た。
「ヴォラット、気持ち悪い挨拶はよさんか」
畏れ多くも前国王陛下の御前に呼び出されたので、せっかく作法通りの口上を申し上げているというのに、鼻にしわを寄せたじいさんに止められた。
「豹の猿芝居など観てもちっとも面白くないわ」
「猿芝居代も騎士団の給料の一部だからな」
跪いていた俺は立ち上がると、「で、何のようだ? あれか、あんたの孫が子猫を囲っている件か」とギルバートじいさん……前国王陛下に尋ねた。
「王都に忍ばせている間者から、詳しい報告を受けているんだろ? 俺も忙しいんだから、あんまり呼び出すなよ」
「この悪ガキが、ちっとは年寄りを敬わんか」
「何が年寄りだよ、足腰立たなくなって年寄りらしくなったら背中におぶってやるわ」
「その時は足代わりにしてやるからしっかり鍛えておけ」
宰相であるうちの父親が聞いたら真っ青になりそうな憎まれ口を叩き合ってから、俺はじいさんの顔を見た。
「何を知りたい?」
「お前から見た、カルディフェンの様子だ。あと、その子猫の娘についても」
先程とはうって変わった鋭い視線で、ギルバート前国王は俺を見た。