『異世界に転移したので、モフモフたちにごはんを作ります!』番外編SS 黒豹のヴォラット視点
「そんなルディの所に、ちっちゃくて可愛い子猫が、庇護してやらなければならない、か弱い子猫がやってきて、あんな風にすっかり懐いてしまったのは、ルディの優しさを本能的に感じ取ったのかもしれないし……最初は面食らった俺たちも、今ではルディの側にあの子猫がいる事が当たり前に思えるんだ」
「……だが、それがこの国に悪しき影響を及ぼす者の差し金ではないと言い切れるか?」
「その目で確かめてみればいい」
「なんじゃと?」
俺はにやりと笑って、じいさんに言った。
「あの子猫がルディにとって良いものなのか悪いものなのか、じいさんが見極めてやればいいだろうが。エリナ……あの子猫は甘いおやつが大好きだからな、焼き菓子でも持っていってやれば喜ぶぞ。親に捨てられたか拐かされたかよくわからないが、エリナは大変な目に合いながら生き延びてきたみたいで、あまりお菓子に縁がなかった様だ。飴玉ひとつでもニコニコして舐めているぞ」
「……そうか」
「前国王ではなく、おじいちゃんとして行ってこいよ」
俺はそう言うと「じゃあ、これから見回りの当番があるから、帰るわ」と王宮を後にした。
そして、後日。
有能なお目付役の意見を取り入れることにしたらしいギルバートじいさんが、おやつを片手にエリナに会いに行き、そのまま子猫のエリナにメロメロになってしまったのは、決して俺の責任ではないのだ。
「……だが、それがこの国に悪しき影響を及ぼす者の差し金ではないと言い切れるか?」
「その目で確かめてみればいい」
「なんじゃと?」
俺はにやりと笑って、じいさんに言った。
「あの子猫がルディにとって良いものなのか悪いものなのか、じいさんが見極めてやればいいだろうが。エリナ……あの子猫は甘いおやつが大好きだからな、焼き菓子でも持っていってやれば喜ぶぞ。親に捨てられたか拐かされたかよくわからないが、エリナは大変な目に合いながら生き延びてきたみたいで、あまりお菓子に縁がなかった様だ。飴玉ひとつでもニコニコして舐めているぞ」
「……そうか」
「前国王ではなく、おじいちゃんとして行ってこいよ」
俺はそう言うと「じゃあ、これから見回りの当番があるから、帰るわ」と王宮を後にした。
そして、後日。
有能なお目付役の意見を取り入れることにしたらしいギルバートじいさんが、おやつを片手にエリナに会いに行き、そのまま子猫のエリナにメロメロになってしまったのは、決して俺の責任ではないのだ。