俺様御曹司の専属メイドになりました
「そろそろ戻るぞ」

響はあたしの手を握った。

「………綺麗だよ」

え?

「そのドレス、似合ってる」

「ありがとう」

いきなり言うもんだから、びっくりした。

なんで今、このタイミングなのよ。

「でも、この口紅は気に入らない」

響はあたしの唇を親指で触った。

「こんな赤いのするなよ。お前は普段から色気しかないから、さらに男が寄ってくるだろ?」

「そんなわけ、ない」

最近の響は甘すぎておかしい。

「俺だけのためにこういうのは付けるんだよ」

「……んぁ」

響はあたしの唇を舐めてきた。

「人に……見られちゃうから…」

「赤すぎるから薄くしてるだけ。別にいいだろ」

よくないわ!

見られたらまずいって。

「大体、この指輪してる時点で婚約してるって思うだろうし問題ない」

問題だらけだわ!!

響は御曹司なんだよ?
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