俺様御曹司の専属メイドになりました
「……お前、今なんて言ったんだよ」

聞こえてたのかな?

「何も言ってないよ」

「嘘つくな。俺には聞こえた」

あたしは唇を噛んだ。

言えない。

言っちゃいけないんだよっ!

「華、顔あげろ」

「……んっ!?」

またキスされてる。

もう、止めたいのに。

こんなことされたら、行きたくなくなる。

ダメだからっ!!

「…ダメだよ」

あたしは響を突き放した。

「冷泉さんにでもしたらいいじゃん。何であたしなの…」

「お前が好きだからに決まってんだろ!?何でここまでしても分かんねぇんだ!!」

今、好きって言った……?

「…あたしは響のこと、そんな風に見れない」

「は?」

「だから、ごめんなさい」

あたしは屋上を出ていった。
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