俺様御曹司の専属メイドになりました
廊下を走って、空き教室に行った。

あたしだって、響のことが好きなんだよ。

でも、言っちゃいけないの。

「うわぁぁぁぁぁん!!!」

あたしもお金持ちだったら、響と釣り合う人だったら好きって言えた。

でも、あたしにはそんな資格すら与えられてない。

「…………ばかぁ」

嬉しかった。

好きって言ってくれて。

大好きな人に好きだって言ってもらえて。

本当はあたしも好きって言いたかった。

大好きなのに。

この気持ちを捨てなければいけないなんて、辛い。

だけど、明日からは右京くんの専属。

響のことは忘れよう。

忘れよう…。
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