俺様御曹司の専属メイドになりました
そんな日々が続くと、さすがに帰った方がいいんじゃないかって思い始める。

でも、楽しそうに笑う響を見ていると言えなくて。

「俺さ、こうやって過ごすの初めて」

太陽を見上げながら、響は話し続ける。

「いつも誰かに見張られてて、窮屈だった。自由を教えてくれてありがとな」

そっか、響はもともと自由を感じない人なんだ。

そう思うと余計言えない。

でも、逃げてばかりじゃダメだ。

「響、帰ろ」

「何でだよ」

「ちゃんとお母さんに話そうよ」

「分かってくれねぇよ」

なんで決めつけるの?

「やってみなきゃ分かんないよ!」

「いいや、最初から分かってる。あいつは自分の思い通りに子どもを動かすからな」

お母さんはそんな人じゃないと思う。

ただ、響の幸せを第一に考える人だよ!

「そんなことないって。ね、帰ろ?」

「お前は…俺と離れてもいいのかよ」

なんでそうなるの?
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