俺様御曹司の専属メイドになりました
響の家に着くなり、本館へ通された。

怖かったから、指輪をぎゅっと握った。

大丈夫。

響がいてくれる。

そう思えたから、あたしは落ち着けたんだ。

「待ってたわよ。響、芹沢さん」

今回はお母さんの部屋だった。

使用人が誰もいない。

「響、どういうつもり?」

「なんで華を解雇したか、理由を説明するのが先だろ!?」

お母さんは呆れたようにため息をついた。

「……全てあなたのためよ」

「はあ?」

「あなたには苦労して欲しくないのよ。この子みたいな庶民と結婚して一番苦労するのは響、あなただって分かってる?」

そんな酷い言い方しなくても……。

「なんですぐ結婚に結びつけるんだよ!?まだ俺ら高校生だし、付き合いたてだぞ?確かに結婚するなら華しかいないけど…」

「付き合ってるですって?なんで両思いなのよ!?」

そんなの、好きになっちゃったんだから仕方ないじゃん。
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