俺様御曹司の専属メイドになりました
「まあ、親父だしな」

響が怖がるほどの人じゃないと思うんだけど。

そういえば、なんでメイドを辞めないか聞いたんだろう。

さっき聞いたときは若干はぐらかされた気がするし聞いてみよ。

「なんで、辞めないか聞いてきたの?」

「だから、俺の専属はお前しかいないって……」

「そうじゃなくて。なんで?」

「…………お前といると楽しいからだよ」

え?

楽しい?

「大体、俺に近づいてくる奴は地位や金目的で、普通に冗談とか言い合える人はいなかった。だけど、お前は違った」

響は軽く笑った。

「………お前は俺を普通の人間として対等に扱ってくれた。からかったときの反応も自然で面白くて、ほんと飽きない奴だよ」

響の本音、初めて聞いた。

じゃあ、今まで庶民とか言ってからかってきたのも反応を楽しんでたの?

軽く笑うとか、本音言うとか色々……ずるい。
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