かわいくて甘い後輩がグイグイ来る
「っっ……!……ああああああああ!!」
――ダッ!
古岡サクラ、逃走します。
「ちょっとせんぱ〜い。逃げないでよー」
そんな声が生徒会室から聞こえたけど、もう知りません!
恥ずかしくて恥ずかしくて……。
「花野井くんって、何なんだ……」
昨日いきなりキスされて、今日告白されてさらにキスされて……
訳わからんっっっ!!!
「大体一昨日までは"せんぱ〜い♡"とか言ってたじゃない……。いきなりキャラ変されても……」
花野井くんは基本的、一人称が「僕」なはずなのに最近私の前だと「俺」っていうし。
そっちが素?
あてもなく走りながら私はぐるぐる考えた。
「……あ」
そして、我に返った。
「鞄忘れた!」
生徒会室に、忘れ物をしてしまったようだ……。
でも、さすがにもう花野井くんはいないよねぇ……。
「せーんぱい」
……え。
生徒会室に戻ろうとした瞬間、後ろから声がした。
――この声。
もしかしてもしかしなくても
「……花野井くん」
花野井くんの顔を見るのが恥ずかしいから逃げてきたのに!
「先輩は俺の足の速さをナメてるんですよ」
こいつめ……。足も速いなんて……。
「はい、カバン」
手に渡されたそれは、私の鞄。
「持ってきてくれたのね、ありがとう」
花野井くんの手から受け取り、そのまま踵を返した。
「じゃ、私これで――」
「どこ行くの?」
帰ろうとしたのに、花野井くんに腕を掴まれた。
「いや、帰るの」
「え〜先輩僕みたいなかわいい後輩のこと一人で帰らせるのぉ……?」
ゔっ……。何もその大きな瞳をうるうるさせなくてもいいでしょうが!
こういうときだけ自分の可愛さを武器にしやがって……。
「……わかったわよ!その代わり今日のぶんの仕事、明日手伝いなさいよ」
「古岡先輩ってば、何か前より厳しくなっちゃったな〜」
「……当然でしょう。一昨日まであなたは聞き分けのいい、かわいい後輩だったんだから。でもあんなことされたら――」
「古岡先輩……そんなに嫌でした?俺にああいうことされるの」
な、何よ……。突然シュンとしちゃって。
「い、嫌っていうか――
花野井くん、私のことからかって遊んでるんじゃないかなって」
「だから言ってるじゃないですか。俺、先輩のことが好きなんです。」
「で、でも――」
「先輩のこと好きなんですよ」
「いや、だって――」
「好きです」
「あの」
「好き」
「わかったっ!わかったからっ!」
こんなに好き好き言われるとさすがに恥ずかしい。
「……帰るわよっ!」
花野井くんの顔は見ずに歩き出した。
花野井くんが本当に私のことをからかっていないのかはわからないけど、今これ以上花野井くんに告白されると困る。
恥ずかしいから。
「えへへ……。先輩、一緒に帰ってくれるんですね」
にへっと笑う花野井くん。
……何で突然可愛くなるのよ……!
――ダッ!
古岡サクラ、逃走します。
「ちょっとせんぱ〜い。逃げないでよー」
そんな声が生徒会室から聞こえたけど、もう知りません!
恥ずかしくて恥ずかしくて……。
「花野井くんって、何なんだ……」
昨日いきなりキスされて、今日告白されてさらにキスされて……
訳わからんっっっ!!!
「大体一昨日までは"せんぱ〜い♡"とか言ってたじゃない……。いきなりキャラ変されても……」
花野井くんは基本的、一人称が「僕」なはずなのに最近私の前だと「俺」っていうし。
そっちが素?
あてもなく走りながら私はぐるぐる考えた。
「……あ」
そして、我に返った。
「鞄忘れた!」
生徒会室に、忘れ物をしてしまったようだ……。
でも、さすがにもう花野井くんはいないよねぇ……。
「せーんぱい」
……え。
生徒会室に戻ろうとした瞬間、後ろから声がした。
――この声。
もしかしてもしかしなくても
「……花野井くん」
花野井くんの顔を見るのが恥ずかしいから逃げてきたのに!
「先輩は俺の足の速さをナメてるんですよ」
こいつめ……。足も速いなんて……。
「はい、カバン」
手に渡されたそれは、私の鞄。
「持ってきてくれたのね、ありがとう」
花野井くんの手から受け取り、そのまま踵を返した。
「じゃ、私これで――」
「どこ行くの?」
帰ろうとしたのに、花野井くんに腕を掴まれた。
「いや、帰るの」
「え〜先輩僕みたいなかわいい後輩のこと一人で帰らせるのぉ……?」
ゔっ……。何もその大きな瞳をうるうるさせなくてもいいでしょうが!
こういうときだけ自分の可愛さを武器にしやがって……。
「……わかったわよ!その代わり今日のぶんの仕事、明日手伝いなさいよ」
「古岡先輩ってば、何か前より厳しくなっちゃったな〜」
「……当然でしょう。一昨日まであなたは聞き分けのいい、かわいい後輩だったんだから。でもあんなことされたら――」
「古岡先輩……そんなに嫌でした?俺にああいうことされるの」
な、何よ……。突然シュンとしちゃって。
「い、嫌っていうか――
花野井くん、私のことからかって遊んでるんじゃないかなって」
「だから言ってるじゃないですか。俺、先輩のことが好きなんです。」
「で、でも――」
「先輩のこと好きなんですよ」
「いや、だって――」
「好きです」
「あの」
「好き」
「わかったっ!わかったからっ!」
こんなに好き好き言われるとさすがに恥ずかしい。
「……帰るわよっ!」
花野井くんの顔は見ずに歩き出した。
花野井くんが本当に私のことをからかっていないのかはわからないけど、今これ以上花野井くんに告白されると困る。
恥ずかしいから。
「えへへ……。先輩、一緒に帰ってくれるんですね」
にへっと笑う花野井くん。
……何で突然可愛くなるのよ……!