やってきた冬に、舌打ちをした。
すぅ、と彼が息を吸う。
「――泣くなーーーーーっ!!!!!」
びくり、肩が震えた。……突然叫ばないでよ。
風が巻き起こり、葉をなくしてしまった木々が震え、悲鳴をあげ騒ぎ……ひとびとが、なんだなんだと振り返る。
「な?これが、奇跡」
……嘘。
「奇跡は起きるよ。起こせば、起きる」
ウソ。うそ。
意味わかんないよ。
「父さんと母さんにも、奇跡をみせてやる」
腕に込められた力に、安心して息を吐き出した。
白い息がこぼれる。